クラウド時代なのに容量無制限クラウドストレージがなかなか実現しないのは何故か?

先に結論

  • 人件費+運用費(設備維持費)+設備導入費を鑑みると2015年4月のストレージ技術だと一般消費者向けの価格帯で満足な性能の容量無制限のクラウドストレージは実現できない。
  • 同じお金を支払うならば外付けHDDが一般人には最も良い選択。

1.1現在のクラウドストレージの現状

 2010年からクラウドストレージサービスが徐々に個人向けに提供されてきました。色々と使ってきましたが次のような不満があり私は新たにオープンソースプロジェクトを立ち上げようかと悩んでいるのでその問題点の共有のためにこの記事を書きました。


問題点

  1. ファイルのアップロード、ダウンロードの速度が遅い。*1
  2. クラウドストレージに保存したはずのファイルがダウンロードすると壊れていることがある。
  3. 一般消費者向けの価格帯のサービスではない事が多い。
  4. アップロード、ダウンロードのユーザーインターフェースがシームレスではない。
  5. 容量無制限と謳っておきながら実は容量制限がされている。

なぜこのような事になってしまうのか、システムエンジニアリングで飯を食っている人には容易に想像できるだろうが門外漢でも理解しやすいように外付けHDDとの比較を交えて文章として認めることにした。

1.2 Q.ファイルの通信速度が遅い理由

 A.保存するべきファイルの容量の増加量を把握できるようにするため。

 容量無制限を売りにしているのでどんなに保存するべきファイル容量が増えてもファイルの通信速度の積算以上に増えないようにする為である。

 この手のサービスにこの事を表記しているのは稀である。容量無制限でありながら100kb/secしか出ない場合、4TBのHDDをバックアップするのに1日中PCをつけっぱなしにしても1年を超える。10倍の1MB/secの通信速度でも50日程度という事になり省エネ志向の日本人には馴染まない感覚なのだ。
 最近の外付けHDDの場合、100MB/secの転送速度である。時間と通信速度を鑑みれば外付けHDDの方が良いであろう。

1.3 Q.クラウドストレージに保存したファイルが壊れている理由

 A.通信時、もしくはクラウドストレージ側のHDDがに保存している最中の書き込みトラブル、もしくはHDDの物理的故障で、ファイルが"すべて"もしくは"一部"が壊れてしまったから。

 この手のサービスにこの事を表記しているのは皆無である。なので価格や容量に目を向けがちだが外付けHDDと同じように使うのは実質的に不可能である。

1.4 Q.一般消費者向けの価格帯のサービスではない事が多い理由

 A.下記の2.コストについての考察にて

1.5 Q.アップロード、ダウンロードのユーザーインターフェースがシームレスではない理由

 A.シームレスに作るのが技術的に困難、技術的に可能でも開発費が嵩む、サーバーリソースを喰い潰す、シームレス過ぎるとユーザーの心理的にもっと沢山のファイルをアップロードする傾向がある等の最終的にコストに跳ね返ってくる原因があるから。

1.5 Q.容量無制限と謳っておきながら実は容量制限がされている。

 A.容量無制限の謳い文句の足元を見たハードな使い方をするユーザーを締め出すため。

 ファイルあたりに容量制限が存在したり、契約状態によって最大容量が制限されたりする。
 例: Amazon Cloud Storageの場合、1ファイル辺り2GBの容量制限が存在する。*2
   Google Drive for Workの場合 5ユーザー以下の場合はHDDの容量は1TBに制限される。

2.コストについての考察


加筆中――。

*1: 1MB/sec 以下というのはザラです。

*2:英語版の場合はクラウド専用アプリケーションを使うことで転送速度は1MB/sec程度になるが1ファイルあたりの容量制限が解除される。